家族信託ケース1  【一戸建ての自宅を残しておきたい】

ご相談内容

現在、古い一軒家に1人暮らしをしている85歳の母親がいます。最近、少し足腰が悪くなってきていることから、高齢者施設への入居を考えています。ときどきは自宅に戻って過ごしたいため、現在の家はそのままにするつもりです。息子が1人いて、この息子と一緒に家族信託を検討しています。

家族信託を利用しない場合

?現在、古家に1人暮らし⇒そろそろ安心できる施設へ移り住もうかと思案中

?家はそのままにして、将来、必要があれば売るなり、貸すなりしてもいいかと考えている

まず、家族信託を使わなかった場合どうなるでしょうか。

お母様が高齢者施設に入所しても、自宅はそのままにしておくというのはよくあるケースです。しかし、施設入所後に認知症など、意思判断能力が失われる状態になってしまった場合、自宅の管理や処分は大きな問題のひとつになります。

ご子息様が近くにいれば、自宅の管理や修繕に関してはできると思います。ところが、お母様の生活費や施設料等を捻出する目的で、自宅を売却しようとした場合、その時点でお母様の意思判断能力が喪失していたとすれば、自宅は売るに売れません。

家族信託を利用すると

次に、家族信託を使うとどうなるでしょうか。次の図のようなスキームで検討してみてください。

施設入所と同時に自宅の所有者であるお母様を委託者、ご子息様を受託者、そして受益者をお母様とする信託契約を、お母様が元気なうちにご子息様と締結します。

お母様は入所後、入所前に思い描いた通り月に1・2回帰宅して掃除をしたり、泊まりたいときに泊まったりすることができます。そして、徐々に意思判断能力が低下し判断できなくなったら、ご子息様の判断でその不動産を処分することも、ほかに貸すこともできます。

自宅を売ったときの売却代金は受益者であるお母様のものですので、その管理をご子息様が行い、お母様のために有効に使うことになります。最終的にお母様が他界し現金が残ったら、これは相続財産としてご子息様が取得することになります。

お悩みを抱えていらっしゃる方、まずはお気軽にお問い合わせ下さい!

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