不動産の名義変更

法務局で登記簿を閲覧すれば、誰でもその不動産が誰の所有になっているか、担保などが付いているかどうかを確認できます。

相続が起こった場合、被相続人名義の不動産登記簿を相続人名義に変える手続きをしなくてはなりません。

なぜならば、相続登記には期限があり、放置しているとペナルティのある手続きだからです。

不動産名義を変更を放置すると、のちのち相続人間のトラブルに発展することもよくあるので、できるだけ速やかに行ってください。

不動産の名義変更の手続きの流れ

大まかに、以下の手順で行います。

(1)遺産分割協議の終了

(2)登記に必要な書類の収集

このあとご紹介する必要書類をご参照ください。

(3)登記申請書の作成

登記の申請書を作成する場合の詳細は、状況によって複雑に変化します。
司法書士に依頼する方が、正確かつ速やかに実行できることでしょう。

(4)法務局への登記の申請

登記の申請書に集めた書類をまとめ、相続する不動産を管轄とする法務局に登記申請をします。提出した書類に不備がなければ1週間程で登記が完了し、不動産の名義が変更されます。

不動産の名義変更に必要な書類

亡くなられた方(被相続人)の書類

① 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等 

相続人を確定するために必要です。
被相続人の記載のある戸籍謄本は1通だけではなく、原則、生まれてから亡くなるまでの全ての戸籍謄本を集めなければなりません。

また、転籍や婚姻などをされている場合、転籍前や婚姻前の本籍地所在地の市区町村で、除籍謄本や改正原戸籍を取得しなければなりません。

一般の方でも取得できますが、何回も転籍されているような場合や遠方の市区町村に請求しなければならない場合、手続きはかなり煩雑になります。

② 住民票の除票の写しまたは、戸籍の附票の除票 

被相続人を住所と氏名及び本籍地で特定するためです。

相続人の書類

① 法定相続人全員の戸籍謄本 

相続人であること及び現在も生存していることを証明するためです。

② 遺産分割協議書 

法律で定められた相続分以外の割合で相続する場合に必要です。

③ 法定相続人全員の印鑑証明書

遺産分割協議書に添付します。

④ 相続財産をもらい受ける相続人の住民票の写し 

登記簿に不動産の所有者として記載される方の住所を特定するためです。

⑤ 相続する不動産の固定資産評価証明書(一番新しい年度のもの) 

相続登記にかかる登録免許税を計算するためです。

⑥ 相続する物件の登記事項証明書 

相続登記申請の前に、不動産を特定したり、被相続人名義の不動産かどうかを確かめたりするためです。

※上記の書類以外にも書類が必要な場合があります

これらの書類をすべて集めるのは相当な労力を要します。
戸籍謄本等の収集などにおいて少しでも不備があると、もう一度やり直す必要が出てきます。

住所の沿革を証明できないケース

不動産登記の際に住所の沿革を証明できないことがあります。

理由としては、

・相続登記における被相続人の同一性
・所有権登記名義人住所変更登記

があります。

被相続人の同一性を証明するケースでは、権利証(登記済証)を添付することによって、住所のつながりを証明しなくてもよくなりました。

しかし、所有権登記名義人住所変更登記は同様とはいきません。

所有者なりすまし防止のため、名変における住所の沿革の証明は厳格に審査される可能性が高いです。

法定相続情報証明制度

法定相続情報証明制度とは、被相続人(亡くなった人)の法定相続人(法律で定められた相続人)は誰で、各法定相続人は被相続人とどういった関係なのかを証明する制度です。

2017年5月29日から、全国の登記所(法務局)において、各種相続手続に利用することができる「法定相続情報証明制度」がスタートしました。

この制度を利用することで、各種相続手続で行内での戸籍謄本のチェック作業が必要なくなるなど、大きな業務効率化に活用することができます。

詳しくは、法定相続情報証明制度についてをご覧ください。

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