相続人調査ケース4
相続人が38人いた事例
Aさんは、夫とともに、生まれ故郷から離れて暮らし40年以上が過ぎました。
Aさんの夫がこの度お亡くなりになり、ご相談に来られました。
財産は、一緒に働いて貯めた預金と、国債と信用金庫の出資金。 しかし、Aさん夫妻には、子供がいませんでした。
夫の家族は大家族で、兄弟が12名。もちろん既に亡くなっている方もいらっしゃいますので、相続人には、甥姪が含まれています。戸籍を順番に取得し、分かったのは、相続人が38人いるということでした。
あまりの多さに、Aさんも驚いておられましたが、預金解約などをするには、38人全員の実印と印鑑証明書が必要となります。
そこで、相続人の方々に今の状況と、これまでの経緯、法定相続分をそれぞれの相続人にお渡ししたい事を、誠意を持ってお伝えいたしました。無事に手続は終了しましたが、相談に来られてから、全ての手続きが完了するまでに10ヶ月かかりました。
このような相談は、特に最近多くなってきているように感じます。子供がいないご夫婦の場合には、配偶者が無くなったときには、その兄弟姉妹からの協力が必要となります。ご高齢で亡くなった場合には、相続人の数がすぐに20人や30人にもなってしまいます。
戸籍の取寄せについても、膨大な量になりますし、中には行方不明となっている相続人や、全く面識の無い相続人の方がいらっしゃる事も多くあります。
親戚付き合いも、希薄になっていきますので、手続は本当に大変になります。
解決方法はひとつ。奥さんに全財産を相続させるという内容の遺言書があれば、兄弟姉妹の強力なく、スムーズに手続が完了します。