任意後見ケース2
一人暮らしの高齢者が、判断能力が低下したときのことを心配して、任意後見契約を締結した事例
現在、私(Aさん65歳)は一人暮らしなのですが、判断能力が低下したときのことが心配です。今はまだ元気ですが、年を重ねるにつれて不安を感じます。主人はすでに亡くなり、子どもはいません。兄弟はいますが、高齢で、その子供たち(甥、姪)とはあまり付き合いはありません。生活は、年金と借家からの収入でまかなっています。財産は、自宅の土地・建物、借家の土地・建物と、いくらかの預貯金があります。
Aさんは、今のところお元気で、ご自分で借家の管理もやっていますが、もし将来、認知症などになったときのことが不安です。甥や姪に迷惑をかけるわけにもいかないと思っています。
Aさんに任意後見制度の利用をお勧めしました。判断能力が衰えた場合でも、Aさんの希望に沿った生活ができるという任意後見の利点を理解してもらえました。
担当者は、Aさんと十分に打ち合わせをしてライフプランを作成し、任意後見契約を締結しました。
契約には、Aさんの財産の管理とともに、Aさんの身上監護に関すること(介護契約や医療契約を締結すること、施設への入所や、入院の手続きに関することなど)も、決められました。
契約を作ったAさんは安心して、ボランティア活動にも熱心に取り組み、ますますお元気です。そんなお姿を見れて私たちも胸が暖かくなりました。