相続登記ケース3
明治初期に生まれた人の名義のままの不動産と100人の相続人がいた事例
相談者は家を2世帯住宅にリフォームしようと住宅メーカーに相談したところ、「銀行から融資を受けるには、不動産の名義変更が必要」と言われたことから、ご相談に来られました。調べてみると、住んでいる家は、明治初期に生まれた人の名義のまま。そこから戸籍をたどっていくと、最終的に相続人は100人になりました。もちろん相談者は、会ったことも聞いたこともない人ばかりで、中には行方不明者もいました。行方不明者は家裁で失踪宣告をしてもらい、連絡のとれる人には、手続きへの協力を依頼しました。
ところが、当所から郵送した書類にサインして手続きに必要な印鑑証明書を送付してくれる人は約半数。無視する人、「詐欺じゃないか」と不審がる人もいらっしゃいました。
何度も何度も依頼人にもやり取りをしてもらって、およそ80人の印鑑はもらえましたが、残りの5、6人に対しては家裁で調停をすることになりました。最終的には審判により、出頭してくれなかった相続人に法定相続分相当のお金を支払うことになりました。解決するまでに約数年かかりました。特に親世代と同居の多い地方では、親から代々受け継いだ家に住んでいる人が多く、こういった事例は少なくありません。